コラム「前野宏のホスピスのこころ」~第1回~
第1回 「なぜ今『ホスピスのこころ』なのか」
NPO法人「ホスピスのこころ研究所」ホームページにようこそ。そして、このコラムをお読みくださり、感謝致します。
「ホスピスのこころ」とはホスピス緩和ケアの歴史の中で、大切にしてきた思想や考え方、哲学を意味しています。近代ホスピスは1967年にイギリスでスタートしました。その後、緩和ケアという名称に置き換わり、医療の一分野として位置づけられるに至りました。この間、緩和ケアにおいて客観的根拠(evidence)が尊重されるようになり、「こころ」といった客観的な評価がしにくい事柄は軽んじられる傾向が見られるようになりました。しかしながら、客観化出来ないことに意味がないかと言ったらそうではありません。いやむしろ、私はそういったことにこそ重要なことが含まれており、真理が存在すると考えています。
「こころ」といった客観化出来ないことは「ことば」によって伝えてゆくしかありません。ホスピス緩和ケアの歴史を築き上げ、育んできた先達の「ことば」を拾い集め、きちっと残してゆく作業によってしか「ホスピスのこころ」を伝承してゆくことはできないと考え、当NPO法人を創立することにしました。
どうかこの小さなNPO法人の地味なあゆみにご注目頂き、ご支援頂ければ幸いです。
なお、このコラムでは、私の経験を基に「ホスピスのこころ」について書いて参りたいと思います。一月に数回更新したいと考えておりますのでお読み頂ければ幸いです。
ホスピスのこころ研究所 理事長 前野 宏
『前野宏のホスピスのこころ』コラム連載はじめます。
当NPO理事長 前野 宏が「ホスピスのこころ」に出会い、病院の理念とし、NPOを立ち上げるに至った経過を『前野宏のホスピスのこころ』と題してコラムの連載をはじめます。
近日、第一回目のコラムを載せますので、お読み頂ければ幸いです。
第3回 介護職のための在宅緩和ケアセミナーのご案内
ニュースレター Vol.3を更新しました。
第1回 介護職のための在宅緩和ケアセミナー開催模様
ホスピスのこころ研究所事務局です
2018年8月4日(土)は札幌白石区民センターで「介護職のための在宅緩和ケアセミナー」を開催いたしました
ホームケアクリニック札幌 藤原 葉子院長による講義&事例をもとにグループワークを行いました
市内でご活躍する介護職の方々にお集まりいただき、在宅緩和ケアに関する様々な意見交換がなされ、短い時間ではありましたが皆さま熱心にご参加くださいました。
今後に活きる情報共有ができたと感じております
このセミナーは年度内に残り2回開催予定です
次回は9/8(土)「看取り期の身体変化とケア」 をテーマに札幌南徳洲会病院 看護師 梶原 陽子さんの講義を予定しております。
セミナー参加には誠に申し訳ございませんが定員に限りがございます。
第1回セミナーにご参加いただいた皆さまありがとうございました。次回もお待ちしております
「ホームケアクリニック札幌10周年記念講演会」のご案内
日時:2018年8月18日(土) 13:00~16:00
会場:ホテルニューオータニイン札幌 鶴の間 (札幌市中央区北2条西1丁目1-1)
※ 参加無料、予約不要
「ホームケアクリニック札幌」は、当NPO法人 前野 宏理事長をはじめ多くのスタッフにより在宅緩和ケア(在宅ホスピス)を専門とする診療所として、2008年7月に開設されました。
現在は院長に藤原 葉子先生が就任し在宅緩和ケア専門の診療所として、主にがん終末期の患者さんとご家族が苦痛や不安なく安楽に在宅療養ができるよう24時間365日体制で支援してさせていただいております。
この度、10周年を迎える「ホームケアクリニック札幌」の記念講演会が開催されるということで、ホスピスのこころ研究所からも講演会のご案内をさせていただきます。
講演内容は特別講演として淀川キリスト教病院理事長の柏木 哲夫先生をお招きし、NPO法人 アンサンブルグループ奏楽さんによる演奏などを含むプログラムをご用意しております。
参加無料、予約不要ですので皆さま是非ご参加下さい。
【お問合せ先:011-867-6770 (ホームケアクリニック札幌)】
「ホスピスのこころ研究所」へご寄付をいただきました。
ホスピスのこころ研究所設立記念講演会~開催模様~(平成30年6月23日(土))
平成30年6月23日(土)ニューオータニイン札幌で170人の市民・医療関係者が参加。
「ホスピスのこころ研究所設立記念講演会」を開催しました。
NPO法人設立後初となる講演会にはアンサンブルグループ奏楽さんをお招きし、
Welcome Concertをしていただき、素敵な演奏で会場内を魅了し癒しの空間を創っていただきました。
つづいて当NPO法人理事長の前野 宏による基調講演「ホスピスのこころ研究所設立の経緯とその目指すもの」について話しました。「ホスピス」の原点を振り返り、「ホスピスのこころ」をさらに探求することにより、医療やケアの質を高めることに貢献できると語りました。
そして現在緩和ケアがevidence(科学的根拠)重視に傾斜していることに対し、ホスピス・緩和ケアにおける「こころ」を回復する働きが必要であると話しました。
当法人が目指すものは「ホスピスのこころによる医療改革」と強く語った講演でした。
特別講演には下稲葉 康之先生をお招きし「ホスピスのこころ~温かいおもてなしのこころ仕える~」をテーマに患者さんとその家族を全人的に理解し全人的にケアすること、ひとりの人間として理解し寄り添い仕えるケアであるというお話を頂きました。
患者さん、ご家族、医療スタッフとのコミュニケーションに基づくお話し、またこれまでの人生の歩みと数多くの患者さんとの出会いを語られました。
講演の途中では賛美歌を披露していただき。その歌声には温かさと深く胸に響くものがありました。
今回、下稲葉 康之先生には設立記念講演会のために九州の地からお越しくださいました。
こうして札幌でお話をする機会は滅多になく、当法人としてもとても貴重な機会でしたので最後は対談という場を設け、宗教的ケアについて、ホスピスのこころの医療改革についてお二人で熱く語られました。
産声を上げたばかりのNPO法人の設立記念講演会で、どれほどの方にお集まりいただけるか・・と、開場時間までは緊張の連続でしたが、多くの方にお集まりいただきました。
中には遠く道南、道北からご参加された方もいらっしゃいました。
あらためて皆さまの関心の高さを実感しました。まだまだ荒削りですが、私たちが目指そうとしている方向が間違っていないことが確認できたと同時に、社会的責任のようなものをしっかりと受け止めました。
これから様々な活動をしていきますので、ご支援よろしくお願いします。