ほすけんニュース, ホスピスのこころのコラム | 2019-01-30
コラム「前野宏のホスピスのこころ」~第1回~
第1回 「なぜ今『ホスピスのこころ』なのか」
NPO法人「ホスピスのこころ研究所」ホームページにようこそ。そして、このコラムをお読みくださり、感謝致します。
「ホスピスのこころ」とはホスピス緩和ケアの歴史の中で、大切にしてきた思想や考え方、哲学を意味しています。近代ホスピスは1967年にイギリスでスタートしました。その後、緩和ケアという名称に置き換わり、医療の一分野として位置づけられるに至りました。この間、緩和ケアにおいて客観的根拠(evidence)が尊重されるようになり、「こころ」といった客観的な評価がしにくい事柄は軽んじられる傾向が見られるようになりました。しかしながら、客観化出来ないことに意味がないかと言ったらそうではありません。いやむしろ、私はそういったことにこそ重要なことが含まれており、真理が存在すると考えています。
「こころ」といった客観化出来ないことは「ことば」によって伝えてゆくしかありません。ホスピス緩和ケアの歴史を築き上げ、育んできた先達の「ことば」を拾い集め、きちっと残してゆく作業によってしか「ホスピスのこころ」を伝承してゆくことはできないと考え、当NPO法人を創立することにしました。
どうかこの小さなNPO法人の地味なあゆみにご注目頂き、ご支援頂ければ幸いです。
なお、このコラムでは、私の経験を基に「ホスピスのこころ」について書いて参りたいと思います。一月に数回更新したいと考えておりますのでお読み頂ければ幸いです。
ホスピスのこころ研究所 理事長 前野 宏